泥棒の被害現場
私は防犯対策を提供する上で被害現場を実際に見て検証する事はとても重要な事だと思っています。 多くの対策はデーターを元にして言われています。ですがデーターは集計されて上がってくる頃には多くの被害者が出てピークを過ぎてからになってしまいます。 ピッキングの手口は時代遅れになってから、ピッキングと沢山報道されカム送り、サムターン回し、全て後手後手の対策です。 現場を多く検証する事は、まだ知られていないが今後多発するかもしれない手口や泥棒の行動を逸早く知る事が出来ます。 泥棒は昔と比べ手口も行動もまったく違ってきている事は皆さんも知っている事と思います。 進化する泥棒に先回りをした防犯対策をする事がもっとも大切であると考え被害現場を検証するようにしています。 検証といっても指紋をとったりする事ではないのですが、何故泥棒は、この住まいを狙ったのか、何故住まいのこの場所から侵入したのか、 何故この時間だったのか、何故隣の住まいではなかったのか、どういう手口で侵入したのか、何故その手口だったのか、答えはでません。
ですが自分なりにそんな事を一生懸命考えたりしています。 その中で言える事は、最近の犯罪者は頭が良く、マニアックで大胆かつ巧妙そして凶悪になってきていると言う事。 そうかと言えば、反対になんの考えもなく犯行におよび、凶悪で殺人まで起こす。そしてすぐ逮捕される。 どちらにしても被害に遭遇すると大事に至る確立が高い犯罪者が増ていてこれからさらに増加すると言う事。
ここで少し被害者の同意を貰った被害現場を参考に何故?どうしたら?を考えたいと思いますので参考になれば幸いです。
自由が丘での被害現場
自由が丘での被害現場
この現場は、2年前にも被害に遭っていてその後に私が防犯対策をした住まいです。 この現場の状況は角地で人通り多い閑静な場所にあって人目をひく住まいです。 泥棒は、住まいの裏手に回りこみ侵入場所を探したのですが1Fからの侵入を諦めフェンスを足場に樋から40cm程しかない庇に登り2Fの窓を破壊。それが上部写真です。 そこは見晴らしの良い場所で遮るものは何もなく隣にはマンションがあり通常では侵入場所に選ばないところです。 しかも犯行時間が11時から16時の間で人通りも多く人目につき易い時間帯です。 さらに穴があいているガラスは、私が以前入替えした防犯ガラスの中でもランク最高にあたるセキュオSPと言われるガラスです。 このガラスは通常のハンマーで貫通するには破壊音と時間を考えたら無理と判断するのですが、打撃痕を見るとコンクリートをハズル時に使用する大ハンマーを使用し フルスイングで数十回試みています。打撃音はそうとうしたはずなのですが。。この泥棒は当初、防犯ガラスを割る予定ではなくサッシを外そうと試みたようでサッシ下部にサッシ外しの痕跡がありました。 ですが、私は防犯ガラスに入替えをした際にサッシ外しが出来ないように細工をしてありサッシを外せなかった為に破壊行為に移行したようです。 また防犯ガラスを貫通させ穴をあけたのですが、私が付けておいた写真上部に見える簡単な補助鍵に手が届かず結局侵入を諦め未遂になりました。
未遂になった理由
防犯ガラスに入替えしたのが良かったのは当然なのですが、入替えしただけなら未遂では終わらなかったと思います。 2年前、防犯ガラスを入替えした時に、防犯ガラスでもサッシを外されたら役に立たない。私が実演したところ意外と簡単で時間も1分程度しかかからず、 なによりガラスが割れる音には敏感な人もサッシを外す時のような金属音にはあまり気にしない。という利点があり、 これから防犯ガラスが普及してもガラスを割らずに侵入する手口。 今までは聞いた事のない手口だがこれからの泥棒は使うかも知れないと思っていたのでサッシが外されないように対策をしておいた事。 「防犯ガラスを入替える時にこの対策をする業者は聞いた事がありません。」そして高価な防犯ガラスに似合わない¥1.200円の簡単窓ロック、 目立つので嫌がったのですが付けさせてもらいました。 結局、この補助錠があったために未遂に終わったのですが防犯対策とは、これを設置したから良い。という訳ではないのです。 防犯ガラスだから、警備保障に入っているから、監視カメラがあるから。防犯対策は、新手の手口を予想しバランス良くしなければ効果を最大限に発揮しません。 そしてなにより今回未遂で終わった理由は、嫌がっていた窓の補助錠を私に言われたように被害に遭ってから2年を過ぎた今でもちゃんと使って忘れないでいてくれた事。 結局最後は、ご自身の防犯意識を忘れないでいてくれた事なんです。 これを見てわかるように手口は常識を超え強行になってきています。こんな強行な手段を使う泥棒に万が一鉢合わせをしたら、大事に至る事は否定できません。 これからの防犯対策、財産を守る事よりも命を守るためにする事のように私は思います。